キミの手 キミの体温

白奈ちゃんが入学してきたその日からこんな調子で。


また同じクラスになった宝珠に、自分が卒業するまでにちゃんと同じ学年の友達が出来るか心配だって漏らしてるらしい……。



そんな周助を父親みたいだって宝珠が笑ってたけど。



わたしはこんな風にみんなと笑い合ってる宝珠を見るのが嬉しかった。



言ったらきっと、母親みたいだって笑われるのかも。



そう思いながら宝珠に言ったら、



「……千愛が傍に居てくれるからだよ」



耳元で囁いて、チュッと唇にキスされてしまった。



予想外のことで真っ赤になったわたしに、



「行こう。千愛」



笑顔を浮かべた宝珠が手を差し出してくれる。



宝珠が笑っててくれるようにわたしはずっと傍に居るよ。



小さい頃に約束したように。


わたしはずっと宝珠が大好きだから。




終わり
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