キミの手 キミの体温

しばらく写真を見つめた宝珠は、



「……だから何?」


「えっ……?」


「こんなのまで持ってきて何のつもりって」


わたしの祈りなんて届かず、今までで一番冷めた眼差しでこっちを見下ろしていた。



まるで睨み付けてるみたいに、冷たくて恐い目の色。




「気持ち悪いから辞めてくれ。鬱陶しい」


「っ……」



突き放された言葉に胸の奥がズキズキと痛んで……涙が込み上げてきた。



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