キミの手 キミの体温
ずっと想いを寄せてる彼に一途であろうとした、バカみたいに不器用で一生懸命な娘……わたしは嫌いじゃない。
むしろ、千愛が好きだから親友なワケだし。
だから密かに応援してたんだけど……、
「……まさか」
その相手があんな奴だとは思いもしなかった。
ずっと会ってない幼なじみだって千愛は言ってたし。
転入してきた日だって、千愛に見向きもしてなかった。
完全な二重人格。
体育館で千愛が寂しそうにしてた理由が今やっとわかった。