キミの手 キミの体温
愛別
「……えっ? 休み?」
「さっき連絡があった。……ほれプリント」
今日は人使いの荒い担任に、朝一番から職員室に呼び出されていた。
ホームルームまでに配って欲しいって渡されたプリントの束を受け取りながら、担任のメガネのフレームをポカンと見上げる。
空っぽの後ろの席が気になって仕方なくて、堪らずに尋ねたら返ってきた答えがこれ。
……良かった。
避けられてるんじゃなくて。
ちょっとだけ安心して、すぐにまた不安が頭を掠めていく。