キミの手 キミの体温
「あの……体調悪いんですか?」
病気か何かだったらどうしよう。
もしかしたら、転入したばかりで疲れてるのかも。
……昨日、鬱陶しいって言われたばかりなのに。
ついこうやって気にしてしまうわたしは、やっぱり鬱陶しいのかもしれない。
昨日から頭の中は、何度目とも知れない自己嫌悪と溜め息の繰り返しばかりだ。
「命日らしい。……お袋さんの」
「……えっ」
命日……?
口から溜め息が零れるより先に、全身の感覚が真っ白になって、
「あっ、おいおいっ」
手から滑り落ちたプリントの束が、わたしと担任の足下に散っていた。