キミの手 キミの体温

「……七年前。俺のせいで死んだ」


「えっ」


「制止を振り切った俺を庇って死んだ」


……嘘。

宝珠を庇って……瑠璃おばさんが、亡くなったの?



低いトーンで呟かれた言葉は、悲しいくらい淡々としていて……。



声を失って目を見開くわたしを、椅子から立ち上り見つめる宝珠は、



「だから思い出したくないのに……アンタを見てると、嫌でも昔の記憶が蘇る」



ひどく痛々しい顔をしている……。



宝珠の傷付いた表情が、頭に灼き付いていく。



水希との約束を破って、泣いてしまいそうになったのをぐっと飲み込んだ。



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