キミの手 キミの体温
届かない想い
「……だから、もう宝珠には関わらないよ」
「…………」
なるべく自然な笑顔を浮かべたつもりが、目の前の水希と周助は黙ったままじっとわたしの顔を見つめていた。
昼休みの屋上は冬の寒さのせいで、すっかり人を寄せ付けなくなっていた。
宝珠に聞かされた瑠璃おばさんの話と、わたしという過去の存在が宝珠を傷つけてしまうこと。
心配をかけた二人にちゃんと打ち明けたつもりなのに、
「……千愛はそれでいいの?」
「それでって?」
「だから、せっかく会えた舟瀬くんともう関わらないってこと」
水希の眉間はくっきりシワが寄せられて、納得してません!って顔に書かれていた。