キミの手 キミの体温
「仕方ないよ。宝珠が辛いのは嫌だもん」
「本当にいいのね? 本当の本当に!」
「水希しつけぇって」
やっぱり納得出来ないのか、食い下がる水希を隣の周助が手のひらで制した。
不満そうに口を尖らせた水希は、
「……本当にいいのね?」
心配そうにまなじりを下げて駄目押しの一言。
周助は呆れたように溜め息を吐いたけど、それでも水希がわたしを心配してくれてるのはよくわかる。
「今は辛いけど……ゆっくり気持ち整理していく」
「……千愛が決めたならいんじゃねぇか。それで」
短く呟いた周助は小さく笑って頷いてくれる。