キミの手 キミの体温

やっぱり出来ないよ……。

宝珠を忘れる為に周助の気持ちを受け入れるなんて。


そんなの一年前と変わらない。



向かい合って黙り込んでるわたしたちの視界に、



「っ!!」


「千愛っ」



横切った人影を気が付けば追いかけていた。



後ろでわたしを呼ぶ周助の声が胸を締め付けるけど、



「ごめんね周助」



宝珠を追いかける足は止まらなかった。

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