キミの手 キミの体温
「わたしだって……周助と友達で居られるのが嬉しかった」
彼氏と彼女にはなれなかったけど、友達として一緒に居られることがわたしは嬉しかった。
都合が良いってわかってる。
でも、周助は大切な友達だって思ってるから……。
「……だったらいいんじゃね? 友達で」
「周助……」
「千愛自身の口から舟瀬が好きって聞けたし。もう千愛に未練無しだ」
にっと笑った周助の顔は紛れも無いホンモノの笑顔で、
「周助……ありがとう。今日からも……よろしくね」
「へーへー。こちらこそな」
ボロボロと落ち続ける嬉しい涙を呆れた溜め息で交わし、頭を荒っぽく撫で付けてくれた。
今はこうして周助の優しさに甘えてばかりだけど……。
いつかは利子をたくさんつけて返せればいいな。
それまでずっと、この友情が続きますように……。