キミの手 キミの体温

side周助


“わたし、ずっと宝珠が好きなの”


意を決したような千愛自身の言葉と眼差しに、自分の中で燻ってた未練の終わりを見た。



無理矢理キスされても、世界で一番嫌いだと告げられても……。


それでも舟瀬を好きだという千愛に、漸く自分が失恋したって認めることが出来た。



多分、友達で居たいって……言ってくれたからだろうな。



ずっと友達で居られる代わりに、彼氏にはなれない。



だったら俺は、全力で千愛の友達ってヤツになる。



今は騙し騙しでも。


いつかは堂々とそう言えるように……。



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