淡い満月
お互いの秘密
そう言った片桐さんは笑っていたけど、何となく表情が固い気がして。
「一緒…?」
「そう、一緒。」
同じはずなのに、私は動揺していた。
「だけど、こうしてここにいるんだよな。」
こんなに人懐っこい笑顔の人が、自分から命を絶とうなんて考えるわけないと思っていたから。
「………。」
上手く返す言葉がなかった。
自分も同じことをしたくせに、人のことになると理由は聞けないものなんだね。
「本当に同じですね…。」
言えない。
やめて、だなんて。