淡い満月
 
 
最初は静かな気もしたけど、意外とそうでもない。


どこからかピッピッという音がするし、患者と医者の話し声や足音が聞こえる。



…別に嫌なわけじゃない。



体が動かない私には静かな方が落ち着かないと思う。


時々右腕を締め付ける血圧計さえも心地よく感じる程だ。








ここは何も怖くない。

誰にも心を覗かれずに済む。





かすかな音に囲まれて、私は再び眠りについた。


自分の心を固く固く閉ざしながら。
 
 
 
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