淡い満月
翌朝、少し遅い朝食をとって自室に戻る。
ベッドに座って、クッションを抱きながら窓の外を見た。
「天気いいなぁ。」
いつから青空の下を避けるようになったんだろう。
小さな頃はお姉ちゃんと外を走り回っていたのに…。
お姉ちゃん…
どうしていなくなっちゃったの?
「私のせい、か。」
また思い出しちゃった。
自分の世界に入って、なかなか抜け出せなくなるから嫌なのに。
そう言えば、片桐さんはもう退院したのかな?
やっぱり彼女に会いに行ったのかな?
彼が女の人と歩いている姿を想像するだけで胸がチクッと痛んだ。
会いたい…。
私をまたここから抜け出させてくれるかもしれない。
また優しく微笑んでくれるかもしれない。