淡い満月
 
 
片桐さんがいたら、止めてくれるのかな。

それとも一緒に…?



「いらっしゃい!風邪ですか?」

「は、はい。」


突然の声に驚きながらも、平然を装って顔を作る。


「家族の方がですか?」

「はい。」


この人から見たら、私は家族想いの学生に映るんだろうな。


「2つ、ください。」


私はもう片方の手で2つ目のビンを取り、レジに置いた。





前は1ビンで入院になった。

本当に願うならこれだけじゃたりない。



今の私には2ビン必要。

だけど…


「1ビンなら……。」


また、片桐さんに会えるかもしれない。
 
 
 
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