淡い満月
「ココアしかないけど、飲む?」
「はい。」
冷え切った身体でストーブに当たる私は、台所からの声に答える。
「熱いから気をつけて。」
「ありがとうございます。」
彼は2人分のコップを持って、私の隣にしゃがんだ。
2人で並んでストーブに当たるのは、何だかくすぐったい。
時々顔を見合わせては、くすくす笑い合った。
やっぱり、病院のときとは違った雰囲気がする。
ただ優しいだけじゃなくて、本当に男の人なんだって感じ。
話さなきゃ。
これ以上、彼を好きになる前に。