淡い満月
目が覚めたのは夜中。
完全に昼夜逆転しちゃったのかな、私…。
「あー…。」
寝返りを打ったときに歪んだのか、点滴が止まっている。
私は顔の隣にあるナースコールを押して、ため息をついた。
「あー、針折れちゃってるわ。」
「折れる…?」
「付け直しね~。」
看護師さんはしばらくして新しい針を用意すると、私は左腕をまくって差し出した。
「痛っ…。」
「ごめんね~、ちょっと他の人呼んでくるから。」
3回目の失敗で私の腕はガーゼだらけになっていた。
血管は見つかるんだけど、うまく奥まで刺さらないらしい。
「痛い…。」
「ごめんね!何だろう、自信なくすわぁ。」
更に新しい人でも2回失敗。
「やっぱりやんなきゃ駄目なのかなぁ…。」
私の心もそろそろ折れてきた。