僕のカノジョ取扱説明書~草食系男子の憂鬱~
「じゃ、そういうことだから、じゃあね雄一郎くん」








その場に取り残された僕はどうすればよいのか分からず、そのまま立ち尽くだけだった。








はあ〜……






大きなため息をつき、その場を離れた。







カラオケ断ってきたのになぁ〜…







行くあてもないまま、駅までの道を歩いていく。今日こそ一緒に帰れるのか、と内心ワクワクしてたのに、見事に裏切られたあとだ。足どりがおぼつかない。







初めて出会った日、その日も今日みたいな暑い日だった。春なのにやたら日が照っていて、セミがしきりに鳴いていた。
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