生命
しばらくして
どうやら人間の方も食事が済んだらしい

「蚊にかまれたとこがかゆいよ~」

「たっくん。かいちゃダメよ。お母さんが後で薬塗ってあげるから」

その光景を見て、僕はたまらず胸があつくなった
別に感動とか、そういうものじゃない
ただ…僕は。

「克太郎!!危ない!!」
急にそんな声が聞こえた
みると人間のハンマーが僕に襲いかかってきた
間一髪逃れた
しかしまた迫ってくる
(―やられる!!!)

ドンッ!!

誰かが僕を押した
それは


母さんだ


「母ちゃ…」

言い終わる前に母ちゃんは人間のハンマーに潰された

ヒラヒラと下に落ちていく
前にもこんな光景を見た

それとリンクする。


「母ちゃん!!」
お母さんのそばにいこうとした
でも、人間がそれを邪魔する

今度は僕を潰そうとしてる


急いで逃げた
本当は母ちゃんも連れていきたがったが
間に合わない
せっかく母ちゃんが助けてくれた命を無駄にするわけにはいかない

僕はどこかの部屋に入った
どうやら子供部屋らしい
中には一人スヤスヤとさっきの人間とは少し小さい人が寝ていた

「ここならしばらくは安全だろう」

しばらく部屋の中をぐるぐる走った
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