白衣の悪魔のキスの味
「あっ…」



「セン…っ…セ…」



「えと…坂下?なにか…あった…のか?」



「…っく…セっ…ンセ…」



目の前には、大きく目を見開きながら、あたしの顔を覗き込む先生。



先生を見た瞬間、



いつもより優しい声色で呟く、その声を聴いた瞬間、



安心からか、罪悪感からか、



あたしの瞳からは、今まで以上にどんどん涙が溢れ出してきて…



「ちょっ…」



「……センっ……っく…」



あたしは両手で顔を覆うと、



「見ない…で…」



こんな顔…



見ない…で…



三村くんにキスされた、こんな唇…



見ない…で…



プイッと、顔を反対側に背けた。



でも…



「なにが…あった?」



「っ!!」



ベッドに片足を乗せ、



あたしの両手首を掴み、



顔を覆っていた手を無理やり剥がした先生は、



「なにが…あった?」



「っ!!」



あたしの両手首をベッドに貼り付けると、



ズイッと顔を近づけてきた。

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