白衣の悪魔のキスの味
瞬間、



「ありゃ?白衣が………ベッドから出て…?……って、今の声……オイっ!!坂下っ!!勝手にベッドでサボってんじゃねぇっ!!」



突然、頭上から降ってきた、先生の声。



先生、いつの間に帰って来てたのっ!?



ってか、先生…



もしかしなくても怒って…る?



どうしよう…



どうしよう。



どうしよう。



どうしよう。



このパターン…



絶対に、布団捲られちゃう。



このままじゃ泣いてたのバレちゃう…



どうしよう…



「オイッ!!起きろっ!!」



「ヤダ…」



「はぁ?」



「ヤダったら、ヤなのっ!!先生のえっちっ!!」



「はぁ?」



そして、布団を捲られまいと必死に掴むあたしのささやかな抵抗も虚しく…



「テメェ…いい加減にしろよっ!!」



「キャッ!!」



無理やり布団を奪われ、



「オイッ!!お前…いい加減に…って、坂…下?」



涙でグジャグシャの顔を白衣で隠すあたしを見つめながら、声を詰まらせた先生は、



「センっ…セ…」



「えっ…ちょっ…オマっ、泣いてんのかっ!?…ってか、コレ、離せっ!!」



シワシワ、グジャグシャの白衣を、あたしから無理やり奪い取った。

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