21時までの・・・

隣の駅に着いた。

桃子はバランスを崩した。


桃子は慌てて手を伸ばし
“彼“の右腕を掴んだ。


桃子の小指は立っていなかった?



咄嗟の時、小指は立たないようだ。



『ごっごっごっごっ』

風邪をひいたニワトリがいた。


『ごめんなさい!』



今度は、はっきり
彼の顔を見て言った。


イケメン!

瞬く間に桃子の顔は真っ赤になった。



「中学生?」


風邪をひいたニワトリは
いなくなっていた。


ムッとした顔の桃子。


『ちっちゃいからって ナメたらダメよ!』


「えっ!」


『これでも高校三年生よっ』



「うそー、いっしょ!?」


彼は桃子が高校生だと知っているはず。


学校前のバス停から
登校する桃子を見ていたのだから。



分かってからかっている。



「名前は?」


“先に名乗れ!“ と心の中で叫んだ。





『桃子!』


「ももちゃん!」


“そうで〜す、ももって呼んで!“


桃子の顔に浮き出ていた。




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