21時までの・・・

暫くして佐紀が戻ってきた。

ドアが開くと

甘酸っぱい香が桃子の鼻を刺激した。


『うぅー』
唸りながら手が甘酸っぱい香の元を探している。

桃子の耳元で

《ももー 美味しいよー》

そして桃子の鼻先へ!


甘酸っぱい香の誘惑に目を覚ました桃子。


桃子の目の前には

“小さなベリー達“がのったタルトが四つ!


完全に目が覚めた桃子。


佐紀は桃子を完全に把握、掌握している。


《あんた、私のケーキ食べたから 一つねっ》


『さきちゃ〜ん』

桃子の目は潤み、声が震えた。


《うそよ、今度は絶対に二つよっ》


大きく何度も頷く桃子。

『紅茶っ!』


《贅沢なっ、ほんとワガママなんだから
持ってくるわよっ》


お姉ちゃんの様な佐紀、
幼児の様な桃子。


紅茶を入れに行く佐紀、又お預けを喰らう桃子。



佐紀は戻るなり、さっきの事、考えた?


なんの事か思い出せない?!


《メールするの、それとも電話?
早くした方がいいよっ!
チャンス逃すよっ!》


佐紀も“小さなベリー達“も桃子を見ている。



『う〜ん もうちょっと考える。』


《いいよ食べて!》




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