21時までの・・・
[昼休み〜!]
やっとの事、餌にありつけた桃子。
バナナ 一本食べたが焼け石に水だった。
いつも、ゆっくりゆっくり食べる
友達からは
“あんた と あさみ先輩見てると、
こっちまで幸せになる“
と 小ばかにされるほど
ゆっくり味わう。
食べる事に夢中で“彼“の事は頭にない様子。
桃子の前に大きな壁が突然現れても気付かない。
黙って見ている大きな壁、友理奈。
予鈴が鳴った。
それでも箸を置かない桃子。
友理奈はティッシュに包んだバナナの皮を
桃子の弁当の蓋に入れ
《自分で始末して下さい!》
そう言って帰っていった。
ようやく箸を置いた桃子。
蓋に載っているティッシュを見て首を傾げた。
?????
『誰か来た?』
友理奈の言葉も食欲に負けた桃子には聞こえていなかった。
ティッシュを開け友理奈が来た事をしった。
『くまいちょー 来たんだぁ』
教室のあちらこちらでバタバタと、こける音がする。
本鈴がなり担任の数学教師が入って来た。
桃子を見るなり
〔またかっ!〕
慌てて片付ける桃子。
小さな声で呟いた。
『お茶飲みたい』