21時までの・・・
月曜日。
桃子は学校前のバス停で手を振る
背の高い学生服の男が目に留まった。
誰に手を振っているのか気になり
辺りを見渡した。
が
誰も手を振替していない。
桃子は再度、手を振る男を見た。
すると指を差している。
辺りをキョロキョロ見たが
誰も彼を見ていない
指差す先はどうやら
自分である事に気がついた桃子。
半信半疑ながら自分を指差す桃子。
右の人差し指で自分の顔を差す。
小指は立っていない。
すると彼は大きく頷き手を振った。
誰だろう?
桃子は、その場で考え込んだ。
桃子が考えている間に、
[駅行き]バスが来た。
バスが発車すると彼はいなかった。
いなくなった光景を見て思い出した。
電車の彼!
彼は、あの日の出来事が
印象的だったのだろう
桃子の事を覚えていた。
桃子はまた、お礼を言うチャンスを
新たな出会いのチャンスを逃した
そんな気がした。