21時までの・・・

電車に乗る友理奈を見送った桃子。


今になって友理奈の言葉が頭をよぎった。


“どこかで見た事がある“


友理奈に“誰“かと聞かれたが

逆に友理奈に“どこで見た“
か聞きたくなった。


家に帰った桃子は
食事の時も風呂に入っている時も
彼が気になっていた。

それと友理奈の言葉も。


だが、根が単純な桃子は
ベッドに入って直ぐに寝てしまい
彼の事は頭から消えた。


これは友理奈も同じらしい

翌日の朝、
登校中に桃子と会った友理奈は


昨日の事は忘れてたかの様に

《ねぇ ももちゃん 佐紀ちゃんとこの
サッカー部のキャプテン
カッコよくなぁい?ねぇねぇ どうよ》


『今ごろ 何言ってんのよっ
一ヶ月前に初めて会ったんでしょ
それから会ったの?』


《会ったのは、あの時だけだよ
でもねでもね きょおぉ
電車で見かけたの
カッコよかった〜》

『じゃ〜佐紀ちゃんに頼んだら』



《ももちゃんから 頼んでよ〜》


『あんた、アタシを年上と思ってないでしょっ!』


図星だった!

友理奈は桃子を友達、
佐紀を先輩と思っていた。




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