怪盗プリンセス
プリンセスの乗ったコンテナが地上に着くと、真っ白い肌と髪の女性がコンテナに乗り込んだ。
雪姫(スノープリンセス)シャナだ。


「反応が早いのね。」

「プリンセスが、此処に来たって事は、私にしか解決出来ない問題が発生したんでしょ?」

「まぁね。」

プリンセスが、コンテナに付いているボタンを押すと、コンテナが上昇し始めた。


「で、何があったの?」

「子供の治療をして欲しいの。」

プリンセスの言葉に、シャナがポカンとした表情でプリンセスを見付けた。

「プリンセスが、子育てに追われているって、本当だったの?」

「はぁ、子育てに追われているってのは、語弊があるね。」

プリンセスが、溜め息を吐いて言った。


「あの子は、良い子過ぎるよ。」

プリンセスが、悲しげに微笑む。

シャナは、プリンセスの顔を見て、黙り込んだ。

「良い子過ぎるぐらい。あの子は、この世界の闇に子供らしさを奪われた被害者よ。」

シャナは、何も言わない。

「あの子は、血塗れで裏路地に倒れていたんだ。生きているのが、不思議な位の大怪我をして。」

「プリンセスは、何故その子を助けたの?」

「何故だろうね。ただ、放って置けなかったんだよ。シャナも、会えば私の気持ちが分かるよ。」

コンテナが、飛行船に収容されていく。



_
< 11 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop