怪盗プリンセス

*2*

そして、28日の夜――


ジューンとプリンセスは、飛行船から、日本に降り立った。

二人とも、襟に超小型通信機を付けている。



「空かずの箱を開けたら、どうなるんですか?」

「分からないわね。着いたわよ。」



目的の博物館には、何人もの見張りの警官がいた。


「どうするんですか?」

ジューンが、プリンセスを見ると、プリンセスは微笑んでいた。


「ジューン、行くわよ。」

「あ、はい。」

次の瞬間、プリンセスは走り出した。
そして、警官の一人を気絶させる。


ジューンも、一瞬遅れたものの、警官を気絶させる。




「流石ね。」


ジューンに、殴られて気絶した警官を見て、プリンセスが呟く。

いくら子供とはいえ、流石は元殺し屋だ。




「この先のセキュリティシステムは、どうするんですか?」

「大丈夫よ。」



プリンセスは、博物館の廊下を堂々と歩いて行く。




突然、プリンセスが立ち止まる。

「どうしたんですか?」

「赤外線センサーよ。ジューン、脚力に自信はある?」

「程々には。」

「1メートル飛べる?」

「一応。」

ジューンの返事を聞いて、プリンセスが微笑んだ。

「行くわよ。」

プリンセスが、赤外線を飛び越える。
後を追うように、ジューンも飛び越えた。


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