怪盗プリンセス

*3*

『空かずの箱』を盗み損ねたプリンセスは、代わりに持って来た封筒の中身を飛行船の中で、サクラ、ジューンと読んでいた。


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怪盗プリンセス様へ

来週、我々主催の『太平洋遊覧の旅〜1ヶ月間〜』が行われます。入船券を二枚同封致しましたので、是非ともジューンといらして下さい。尚、『空かずの箱』は我々が預かっています。

世界暗殺者協会

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【行くんですか?】

サクラが、微かな怒気を含んだ声で言った。

「行くよ。獲物を横取りにされたままなのは、私のプライドが許さないからね。」

【ジューンは?】


「それは、ジューンが決める事よ。――ジューン、今回は今まで以上に危険が伴うわ。どうする?」

プリンセスが、真っ直ぐジューンを見つめて言った。


「行きます。」

ジューンが、真っ直ぐプリンセスを見つめ返して言う。



「分かったわ。1つだけ約束があるわ。何かあったら、自分の命を守ることを最優先しなさい。」

「分かりました。」


ジューンが、頷く。



【プリンセス、本気ですか?】

サクラが、怒気を含んだ声を上げた。


「本気よ。ジューンは、連れていくわ。」

プリンセスが、サクラを睨み付ける。

「決定権は、ジューンにあるわ。私達が決めることじゃない。」

サクラが、黙り込む。




【分かりました。】

暫くして、サクラは諦めたように言うと、部屋を出て行った。



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