怪盗プリンセス

*4*

【貴女は、自殺願望でもあるんですか?】

血塗れで飛行船に帰って来たプリンセスに、サクラが開口一番に言った。

「これは、不可抗力という―――」

【何が不可抗力ですか!自分から危険に突っ込んで行ったんでしょう!】

「それは、私のプライドを―――」

【命とプライド、どっちが大切なんですか!】

「プライド――」

【ふざけないで下さい!貴女は、周りの気持ちを考えた事はあるんですか!】

「天下の大怪盗が死んだら、皆、喜ぶだろうね。」

【シャナさんは?ジューンは?アランさんは?悲しむんじゃないんですか?】

「悲しんでくれるのかな?」

プリンセスが、寂しそうな表情で言った。


【えっ?】

「なんでも無いよ。サクラ、消毒薬を持って来て。」

サクラは、何時もと違い、悲しそうなプリンセスの様子に何も言えなくなり、薬を取りに行った。


ジューンも、黙って部屋を出て行く。




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