怪盗プリンセス
「もう、千年近く昔の事かな。」

プリンセスが、静かに話し始めた。
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太平洋のある島に、1つの小さな国があったの。
その国は、他国との外交を一切絶って、独自の文化を作り上げていたわ。
それが、伝説の古の王国。


ある日、島自体が沈んでしまったから、単なる伝説と考える人も多い筈。
元々、太平洋を転々と移動する不思議な島に作られた国だから。

そして、古の王国には、長い年月を生きる、人間が魔物と呼ぶ存在がいたの。

それが、私やシャナ、アラン。


そして、私は古の王国のたった1人の王女だった。
島が沈む時、私の両親は私を含む数百人の二十歳にも満たない子供だけを島から脱出させたのよ。

それから、私達はばらばらになって、人間の中に紛れて生活しようとしたわ。

だけど、私達と人間は寿命が違い過ぎた。


島が沈んで、数百年位たったある日、私はある怪盗に拾われたの。


あの人は、私に自分の技の全てを教えてくれた。


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ジューンは、プリンセスの話を黙って聞いていた。


「それから、私は怪盗プリンセスとして生きてきたの。」


プリンセスが、話し終える。


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