怪盗プリンセス
「サクラ、アランの隠れ家にプリンセスを迎いに行って来ます。」
ジューンが、軽く溜め息を吐くと言った。
【その必要は、ありませんよ。只今、プリンセスの帰還を確認しました。】
「あ、そうですか。」
【ずっと言おうと思っていましたが、敬語を止めて下さい。落ち着きません。】
サクラが、懇願するような口調で言ったので、ジューンは反対出来ずに頷いた。
ドアが、静かに開きプリンセスが室内に入って来る。
【プリンセス、何処に行っていたんですか?】
「ちょっとね。サクラ、『太陽と月のリング』についての資料を出してくれるかな?」
【分かりました。】
サクラが、静かに部屋から出て行く。
「本当に、『太陽と月のリング』を盗む気ですか?」
「そうだよ。」
「……分かりました。」
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