怪盗プリンセス

*4*

そして、決行日の夜――

プリンセスとジューンは、警官が警備をしている博物館の屋根の上に立っていた。


「黒は、夜の闇に紛れてしまうね。白の方が良いかな?」

「………」


ジューンは、何も答えない。



「少し、演出が欲しいね。」

そう言って、プリンセスが何処からともなく、大量の鼠花火を取り出した。


「何をするつもりですか?」


「人生、遊び心が大切だよ。」

プリンセスが、悪戯っ子のような微笑みを浮かべて、火を付けた鼠花火を警官に向かって投げ始めた。


「………」

ジューンは、無言でプリンセスの後を追う。



「プリンセスだぁ!」

「捕まえろ!」



何時の間にか、白い服に着替えたプリンセスが、風のように警官の間を駆け抜ける。



「…………」

ジューンは、別ルートから侵入し、管制室に入り込む。
そして、一瞬で管制室にいた人間を気絶させた。


ピ!
ピ、ピ、ピ!
ピーーー!



全てのセキュリティシステムが停止する。



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