怪盗プリンセス

＊5＊

無事に、飛行船に戻ったプリンセスはぐったりとソファーに座り込んでいる。


【いったい、何があったんですか？予定時刻より、五分程帰還が遅れていましたよ。】

サクラの言葉に、プリンセスが苦笑する。


「サクラ、船内の照明を消してくれないかい？暫くは、光を見たくないよ。」

プリンセスの疲れきった表情に、サクラは首を傾げて部屋の照明を消した。

【何があったんですか？】

質問を繰り返すプリンセス。


「太陽を直視してきたような気分だよ。」

プリンセスが、うんざりしたような声で言った。

【貴女は、太陽を直視した事があるんですか？】

「無いよ。そんな馬鹿な真似はしないよ。例えだよ、例え。」

【そうですか。で、何があったんですか？】


「最新式のセキュリティなのかな？ドアを開けた途端に、目を開けられない程の光を浴びせられてね。」

プリンセスの言葉に、サクラが首を傾げた。


【そんなセキュリティがあったんですか？でも、ジューンがセキュリティシステムは停止させたのでは？】


「おそらく、管制室のセキュリティシステムに管理されていないものだったんだろうね。」

【………ちょっと待っていて下さい。調べてみます。】


暫しの沈黙が、室内を支配する。




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