怪盗プリンセス
第1章〜開かずの箱〜
*1*
【プリンセス、面白い情報が入りましたよ。】
サクラが、数枚の資料を片手にジューンとプリンセスがトランプ――ババ抜き――をしている部屋に入って来た。
「どんな情報だい?」
プリンセスが、ジューンのカードを一枚引きながら言った。
【日本の博物館が、『開かずの箱』を手に入れました。明日から、展示されるそうです。】
「開かずの箱?」
ジューンが、カードを捨てながら言った。
【決して、開けることの出来ない謎の箱です。開ければ、世界は破滅すると云われています。中には、決して制御することの出来ない恐怖が入っているという伝説もあります。】
「簡単に言うと、空かない箱だよ。――上がり。私の勝ちだね。」
「また、僕の負けですか………もう一度。」
ジューンが、トランプを切り始める。
「何度やっても、君は勝てないよ。」
プリンセスが、自信満々に言う。
この自信は、何処から来るんだろうか?
ジューンは、本気で考えた。
「プリンセス、『開かずの箱』を盗む気は起きないんですか?」
「あれは、古の王国の遺物だよ。誰が保有していようと、大切にされているならいいよ。」
プリンセスが、興味無さげに言った。
「古の王国?それは、何ですか?」
ジューンが、トランプを配りながら訊ねた。
「……古の血を受け継ぐ者が建てた、海に沈んだ王国だよ。」
プリンセスが、配られたトランプを整理しながら言った。
「古の血を受け継ぐ者?」
「簡単に言うと、魔物だよ。」
「【…………】」
サクラとジューンが、黙り込む。
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サクラが、数枚の資料を片手にジューンとプリンセスがトランプ――ババ抜き――をしている部屋に入って来た。
「どんな情報だい?」
プリンセスが、ジューンのカードを一枚引きながら言った。
【日本の博物館が、『開かずの箱』を手に入れました。明日から、展示されるそうです。】
「開かずの箱?」
ジューンが、カードを捨てながら言った。
【決して、開けることの出来ない謎の箱です。開ければ、世界は破滅すると云われています。中には、決して制御することの出来ない恐怖が入っているという伝説もあります。】
「簡単に言うと、空かない箱だよ。――上がり。私の勝ちだね。」
「また、僕の負けですか………もう一度。」
ジューンが、トランプを切り始める。
「何度やっても、君は勝てないよ。」
プリンセスが、自信満々に言う。
この自信は、何処から来るんだろうか?
ジューンは、本気で考えた。
「プリンセス、『開かずの箱』を盗む気は起きないんですか?」
「あれは、古の王国の遺物だよ。誰が保有していようと、大切にされているならいいよ。」
プリンセスが、興味無さげに言った。
「古の王国?それは、何ですか?」
ジューンが、トランプを配りながら訊ねた。
「……古の血を受け継ぐ者が建てた、海に沈んだ王国だよ。」
プリンセスが、配られたトランプを整理しながら言った。
「古の血を受け継ぐ者?」
「簡単に言うと、魔物だよ。」
「【…………】」
サクラとジューンが、黙り込む。
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