怪盗プリンセス
プリンセスが、ジューンをベッドに寝かせる。


そして、そっと部屋を出る。
そして、

「サクラ!氷枕と毛布を持って来て!」

と言うと、再び部屋に入って行った。



「ごめんなさい。もう、大丈夫です。」

ジューンが、ベッドから起き上がろうとする。

それを、プリンセスが肩を押さえて制した。

「まだ、寝ていたほうがいい。熱がある時ぐらいは、人に甘えるといい。私にでも、サクラにでもね。」


「でも………」

「何も、気にしなくていいから。」

プリンセスが、ジューンの額にそっと手を置いた。


「また、熱が上がったみたいね。」


暫くして、サクラが氷枕とその他色々なものをワゴンに載せて入って来た。


【ジューン、熱が測ってみて下さい。】

サクラが、ジューンに体温計を渡す。


「随分と色々なものを持って来たね。熱冷ましなんか必要無いのに。」

【貴女じゃ無いんですから。熱が高いようなら、熱冷ましを飲ませないと命に関わります。――あ、もういいですよ。体温計を見せて下さい。】


サクラが、ジューンから体温計を受け取る。

「何度だい?」

プリンセスが、横から覗き込む。


41:3℃


【熱冷ましを飲んで、寝ていて下さい。】

サクラは、ジューンの頭の下に氷枕を入れて言った。


「ちょっといいかい?」

プリンセスが、サクラを部屋から引っ張り出す。

「サクラ、シャナの家に向かって。」

【彼処は、アラスカです。行ってどうするんですか?アラスカなんかより、病院に行くべきです。】

サクラが、怒ったように言った。


「……行けば、分かるから。」

【はぁ、わかりました。】

サクラが、溜め息を吐いて、何処かに去って行った。


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