お子様王子の彼女。〔完〕
「…ってヤバい…!!もう時間だよ…!!」


あたしは荷物を持ち、家を出た。





――――――――――――…



「あれ?まだ来てない…」
「今来たけど?」
「うわっ!!」

背後から話しかけないでよ…!!

「…浴衣かと思った」
「いやぁ、ここはラフな格好でと思いまして」
「ふーん。まぁいいや、行こう」
「あ、はい」






――――――――――――…

「すごい人だかりですね…」
「いつもだろ。で、何食いたい?」
「先輩は何が食べたいですか」
「リンゴ飴」



り…リンゴ飴ー!?
イチゴミルクの次はリンゴ飴!?



…ヤバい…ドキドキしてきた…!!(・―・〃)

「あたしは…たこ焼き…食べたいです…」

すると柳沢先輩は眉間にシワを寄せた。


もしかして一緒のものを食べるから絶対にリンゴ飴がいいと…!?
いやあたし一緒の食べるとか全然考えてなくて!だから…!!

「リンゴ飴嫌いなのか」
「いや、飴自体好きじゃないんで…」
「おま…っ!!あんなうまいもん食べないなんて…信じらんねー…」

と、本当に信じられないという顔をする柳沢先輩。


…先輩の驚き顔に…

ヤバいよ…?
本当に…
心臓の鼓動がどんどん速くなる…

「んじゃぁまずたこ焼き買いに行くか」

そうしてあたしたちはたこ焼き買いに行った。



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