とんでも腐敵☆パートナー
 
 このままずっと漂っていたい……。
 
 
 拝島が、近くにいるような気がした。
 
 
 
 
 
『そんなしけたツラばっかしてんじゃねぇぞ、坊主』
 
 どこからか声が聞こえてくる。
 
 ああ、じぃさん。じぃさんか。
 
『世の中面白くないことばっかでもねぇぞ。よーっく周りを見てみるんだな』
 
 うるせぇよ、くたばりぞこない。
 
『おめぇはまだ出会ってないだけだ。そいつと出会えば、途端に世の中面白くなる』
 
 ただのピエロか芸人じゃん。
 はっ。ばっかじゃねぇの?
 
『信じてねぇな? お前』
 
 当たり前だろ。詭弁もいい加減にしやがれ。
 
『いつか分かる時がくる。誰しも人生には、運命の出会いってのが、一度は用意されてるもんなんだ』
 
 またそれかじぃさん。
 
 ああ……でも、やっと分かった。
 
 そうだ。確かにあったよ、運命の出会い。
 
 優しい眼差し。
 暖かな笑み。
 
 そうだ。俺はもう出会っている。
 
 出会えたんだよ、じぃさん。あんたにも見せたかった。
 
 俺のパートナー。
 
 掛け替えのない、パートナーを――
 
 
 
 そこで俺の意識は覚醒した。
 
 
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