とんでも腐敵☆パートナー
「分かった分かった。そこまで言うんなら、アロンアルファででもくっつけとけ」
 
 朽木さんは呆れたように息をつき、腰に手を当てた。
 
 ちょいちょい、アロンアルファってコラ。
 
「ムキー! あたしは宿題の工作かっ!?」
 
 どうせまたからかってるんだろうと思った。
 でも朽木さんはますます呆れた顔で、
 
「何言ってんだ。アロンアルファは普通に治療に使えるんだぞ。常識だ」
 
 と返してくる。冗談を言ってるのか本当なのか、いまいち判別がつかない。
 
「うーん……冗談でしょ?」
 
 朽木さんは、あんまり冗談を言う方じゃないけど。小首を傾げながら突っ込んでみた。
 
「今時そんなことも知らない奴がいるとはな……。困ったときのアロンアルファ。止血なんかにも一応使える。爪の補強に使えるってのも有名だ」
 
 どこの世界で有名なのか。あたしの世界では無名なんだけど。
 
 でも本当かどうか試してみるのも面白そうだと思って、
 
「じゃ、やってみよっかな」
 
 と笑って返した。
 
 
 
< 116 / 285 >

この作品をシェア

pagetop