とんでも腐敵☆パートナー
 それからあたしと朽木さんは、途中から何故か競うようにズカズカと早足で進み、駐車場を通り過ぎ、足並みを揃えながら真っ直ぐ商店街に突入した。
 
 コンビニはすぐそこだ。
 
「お前、負けず嫌いだよな」
「そういう朽木さんこそ」
 
 見えない火花が散った。
 
 あたしはにっこり笑い、朽木さんも爽やかスマイルを浮かべる。
 
 その一見するとにこやかな雰囲気のまま、猛烈な早足で商店街を闊歩する。
 
 何故かすれ違う人達が、怯えたように道を空けていった。
 
 そんなこんなでコンビニに到着。
 
 手早く買い物を済ませて、来た道を戻る。
 
 
「可愛気ないとか言われないか?」
「近所で評判の可愛いお嬢さんですが?」
 
 
 はて、なんでこんな展開になるんだろう?
 
 どうやらあたしと朽木さんは、角をつき合わさずにはいられないようだ。
 
 やがてまた駐車場の入り口が見えてきて。
 
「っ!」
 
 
 思わず、足を止める。
 
 
 期せずして、朽木さんの足も、同じくピタッと止まった。
 あたしに揃えたわけじゃないだろう。
 
「あれは――」
 
 ムードは一転し、緊迫感を孕んだものになった。
 
 何故なら――――
 
 
 
 奴らの姿が、見えたからだ。
 
 
 
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