とんでも腐敵☆パートナー
 いかにも遊び好きらしいパッキン混じりのツンツン頭の高地さんは、どこかうっとりとした焦点の定まらない目でお寒い言葉を続ける。
 
「目が覚めたんだ俺……。今までの恋は本物じゃなかった。本当の恋の前座だったんだ。今度のこれが、恋ってやつなんだって…………やっと気付いたんだ」
 
 ひっっ
 
「寒いっ! いやぁ~~っっ!! ここに変な人がいるぅぅぅっ!! 朽木さんっ! 警察呼んでっ!」
 
「安心しろグリコ。お前の変人ぶりは負けてない」
 
 どういう意味だソレは。
 
「お、落ち着いて栗子ちゃん……と、高地。とりあえず、熱は測った?」
 
「拝島……お前って優しい顔で時々言うことが酷いよな……」
 
 るるる~と哀愁を漂わせる高地さん。
 
「誰も突っ込んで訊いてくれねぇのかよ。恋の相手は誰だ、とか!」
 
「悪い高地。全然興味ない」
 
 一番酷いのはやっぱり朽木さんだと思う。
 
 高地さんはゴンッ、と頭を落としてテーブルに突っ伏した。
 
 しばらく待ってると、そのままのツンツン頭の下からポソリと声が漏れ聞こえてくる。
 
「祥子ちゃん……」
 
 は?
 
 祥子がどうかしたのかな。
 
 
「祥子ちゃんを好きになったの!」
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