とんでも腐敵☆パートナー
「でもさ、ホラ。高地さん、海で祥子が倒れたのずーっと気にしててさ。お詫びにって、今回の映画代、全部自分が出すって言ってるんだよ。だから祥子が行かないと始まらないでしょ?」
 
「あれはもう済んだ話のはずよ。蒸し返されるとこっちが恥ずかしいんだけど」
 
 ちょっと唇尖らせ気味で言う祥子。うっ。可愛い。こんなん、男だったら押し倒しちゃうんじゃない? 本当に大丈夫かなぁ。高地さんと二人きりにして。
 
「まぁいいじゃん。男の顔を立ててやりなよ祥子」
 
 およよ。なんか、真昼が珍しく祥子を説得にかかってくれる。
 
「立ててあげるほどの顔じゃないわよ」
 
 うん、それには同意。
 
 って、納得しちゃいかんいかん。
 
 ここで、必殺の一言!
 
「ちなみにさ、観に行く映画は『SHO-RINバレー』なんだけど……」
 
 ぴくっ
 
 てな感じで祥子の手の動きが止まる。
 
 
 食いついたっ!
 
 
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