とんでも腐敵☆パートナー
「な、なんなの……?」
「イテテテテ……ど、どこから猫が……」
顔半分を掌で覆いながらぼやく高地さん。あたしはしてやったりとほくそ笑んで息を潜めてたが。
突然、傷跡も生々しい顔がキッとこちらを睨み付けてきて、びくっと竦みあがった。
わっ。やばい。こっちに来た!
ど、どうしようっ。このままじゃ見つかっちゃう!
「そこに誰かいんのか!?」
絶体絶命の大ピンチ。ザッと茂みが掻き分けられる。
あたしは思わず咄嗟の行動に出た。
「好きだよお兄ちゃんっ!!」
がばっと隣の拝島さんに覆い被さり――
そのまま地面に押し倒したのだ。
「むぐっ!」
くぐもった声があたしの耳元で聞こえる。悪いけど、気にしてられない。
「お兄ちゃん、大好きっ!」
拝島さんの顔も隠すために肩と腕を巻きつける。あたし自身は拝島さんの首筋に顔を埋め、完全に背を向ける恰好になる。これで高地さんには見えないはず。
勢い、拝島さんの頭をぎゅーっと締め付ける形となった。
「え? な……す、すみませんっ!」
慌てた声が頭上で聞こえ、また茂みを揺らす音と共に、視線と気配が去って行った。
「いっ、行こうか祥子ちゃん!」
上擦った声の高地さん。
「え? なに?」
「いいからいいから。邪魔しちゃ悪いよ」
それから二人の気配は急速に遠ざかる。慌てた様子の足音を残しながら。
「びびった~……色んな愛の形があるもんだな……」
最後に聞こえた呟きは、そんなしみじみとしたものだった……。
「イテテテテ……ど、どこから猫が……」
顔半分を掌で覆いながらぼやく高地さん。あたしはしてやったりとほくそ笑んで息を潜めてたが。
突然、傷跡も生々しい顔がキッとこちらを睨み付けてきて、びくっと竦みあがった。
わっ。やばい。こっちに来た!
ど、どうしようっ。このままじゃ見つかっちゃう!
「そこに誰かいんのか!?」
絶体絶命の大ピンチ。ザッと茂みが掻き分けられる。
あたしは思わず咄嗟の行動に出た。
「好きだよお兄ちゃんっ!!」
がばっと隣の拝島さんに覆い被さり――
そのまま地面に押し倒したのだ。
「むぐっ!」
くぐもった声があたしの耳元で聞こえる。悪いけど、気にしてられない。
「お兄ちゃん、大好きっ!」
拝島さんの顔も隠すために肩と腕を巻きつける。あたし自身は拝島さんの首筋に顔を埋め、完全に背を向ける恰好になる。これで高地さんには見えないはず。
勢い、拝島さんの頭をぎゅーっと締め付ける形となった。
「え? な……す、すみませんっ!」
慌てた声が頭上で聞こえ、また茂みを揺らす音と共に、視線と気配が去って行った。
「いっ、行こうか祥子ちゃん!」
上擦った声の高地さん。
「え? なに?」
「いいからいいから。邪魔しちゃ悪いよ」
それから二人の気配は急速に遠ざかる。慌てた様子の足音を残しながら。
「びびった~……色んな愛の形があるもんだな……」
最後に聞こえた呟きは、そんなしみじみとしたものだった……。