とんでも腐敵☆パートナー
 …………。

 ふ~~……。
 
 どっと息を吐き出す。
 
 なんとかBLカップル作戦でごまかせたな……。
 
 まさか高地さんに気付かれるとは思わなかった。ちょっとビックリ。
 
「危ないところでしたぁ~……」
 
 さすがに猫はやりすぎたか。そりゃ怪しむよね。反省。
 
 でも正体がばれなくて良かったぁぁ~~。緊張と共に力が抜けていく。
 
「く、栗子、ちゃん……」
 
 耳元に聞こえる苦しげな声にはっと顔を上げた。
 
「あ、すみません拝島さんっ」
 
 ずっと上に乗っかって抱きついたままだった。首を腕で絞めてるし。
 
 慌てて身を起こして拝島さんの上からどく。
 
 拝島さんは、眼鏡はずれるわ帽子は脱げるわ、髪くしゃくしゃだわで散々な格好になっていた。
 
 アイター。申し訳ない。
 
 よっぽど苦しかったのか、顔も真っ赤になっている。
 
「ふぅ……びっくりした」
 
 眼鏡を取りながら身を起こす拝島さん。髪に葉っぱが付いててこれまた可愛いんだけど、拝島さんにしてみれば「とんでもない目にあった」だよね。ははは。
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