とんでも腐敵☆パートナー
「アイタタタ……」
   
 アイスに食いつこうとした高地さん、さっきの猫にやられた傷口が広がったのか、顔をしかめて痛がった。
   
「いい気味ね」
 
「そんなぁ~……。こんなに反省してるのに……」
 
 二人はそんな会話をしながら公園の更に奥へと進む。
 
 辺りはゆっくり茜色に染まっていった。
 
 風が、秋らしさを帯びてくる。
 
 そして、急斜面の階段を登った後に、不意に開けた視界。
 
 
「わぁ……っ」
 
 あたしは思わず感嘆の声をあげた。
 
 
 真っ赤な空が、突然現れて視界を埋め尽くしたのだ。
 
 その下に覗くのは、地平線。
 
 オレンジに陽の光が反射してキラキラ輝く海だった。
   
< 180 / 285 >

この作品をシェア

pagetop