とんでも腐敵☆パートナー
 観念して岩の陰からおずおずと首を出す。
 
「…………バレてました?」
 
「当たり前でしょ。バレバレよ。拝島さんまで何やってんの」
 
「ご、ごめんね祥子ちゃん。高地が心配でつい……」
 
「拝島っ!? グリコちゃんっ! いつからそこにっ!?」
 
 高地さんが驚きの声をあげる。
 
「最初からいたわよ。まったく……悪趣味にも程があるっての」
 
「ご、ごめ~~ん祥子ぉ~~。高地さんに頼まれて……」
 
「それについては、これからゆっっくり話を聞かせてもらうわよ」
 
 キッ、と氷の瞳に睨まれ、あたしは一瞬にして蛇に睨まれた蛙の氷漬け状態となる。
 
 寒いっ。寒いよママン。周囲が永久氷土だよぉぉーっ。
 
「と、いうわけで」
 
 祥子はあたし達三人が緊張と驚きで硬直してる中、一人飄々として歩き出す。数歩進んだところで背後の高地さんを振り返り、
 
「デートはこれにて終了。多分もう二度とはないわね。じゃ、高地さん。お先に失礼」
 
 いつもの鉄面皮で、ひらひらと手を振って言ったのだ。
 
 
 ぐわぁぁ~~~~んっ
 
 
 そんな効果音が聞こえてきそうなほどショックに顔を歪ませてよろける高地さん。背景にピシッとヒビが入ったのまで見えた気がした。
 
 チ――――ン
 
 残念ながら、完全なるご破談です。南無阿弥陀仏。
 
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