とんでも腐敵☆パートナー
章はリビングの床に直に座り、萎縮したまま俯き、しばらく言葉を発しなかった。
俺はその間、キッチンで湯を沸かし、コーヒーを淹れてリビングのテーブルに運んだ。
そしてカップをひとつ章の前に置き、もうひとつを手に自分も床の上、章の隣に座る。
片膝を立て、視線を部屋の隅に投げてカップに口をつけると、芳醇なコーヒーの香りが喉に染み渡る。
まだ章は置物のように固まっていた。
章がなかなか話を切り出せない理由も、俺と目を合わせられない理由も、俺にはよく分かっている。その原因を作り出したのは他ならぬ俺自身だからだ。
この間まで楽しげに揺れていた、茶色の柔らかなねこ毛。今は持ち主の心に呼応するかのように力なく垂れ下がっている。
感情が表れやすい奴なだけに、その様子は痛々しい。
こんな章を見るのは酷く心苦しいことだった。
あいつに――俺の最愛の拝島に、似ているだけに。
俺はその間、キッチンで湯を沸かし、コーヒーを淹れてリビングのテーブルに運んだ。
そしてカップをひとつ章の前に置き、もうひとつを手に自分も床の上、章の隣に座る。
片膝を立て、視線を部屋の隅に投げてカップに口をつけると、芳醇なコーヒーの香りが喉に染み渡る。
まだ章は置物のように固まっていた。
章がなかなか話を切り出せない理由も、俺と目を合わせられない理由も、俺にはよく分かっている。その原因を作り出したのは他ならぬ俺自身だからだ。
この間まで楽しげに揺れていた、茶色の柔らかなねこ毛。今は持ち主の心に呼応するかのように力なく垂れ下がっている。
感情が表れやすい奴なだけに、その様子は痛々しい。
こんな章を見るのは酷く心苦しいことだった。
あいつに――俺の最愛の拝島に、似ているだけに。