とんでも腐敵☆パートナー
「あーもっとイケメン見たかったー」
 
 仕方ないのでチャンネルを桃太に譲る。
 
 あたしはさっきまで没頭してた作業に戻るべく、傍らの雑誌に手を伸ばした。
 
『フロムA』
 
 まぁ、言わずと知れたバイト探し。
 
 
 
 
 高地さんからデートの橋渡し報酬額三万円を貰ったはいいものの、悪行が祥子と真昼にバレて、タダで済むわけがない。
 
 きっちり半額分、高級レストランでタカられましたとも。
 
 しかも食事中、チクチクと祥子の嫌味攻撃を食らって、やはり悪いことはできないものだと痛感した次第でして。
 
 人間、真面目に働くのが一番ってことですわ。
 
 まぁ、どっちにしろ、万年金欠を解決するには避けては通れない道だったわけで、あたしは初心に帰る気持ちで広告に目を走らせた。
 
「姉ちゃん、バイトすんの?」
 
「うん、やっぱこう汗水流して得られるものって、人生に欠かせない重要なスパイスだと思うわけよ」
 
「つまりは金?」
「つまりは金」
 
 話の解かる弟はそれ以上突っ込んで訊いてはこなかった。
 
 やや白い目が思うところを代弁してるけど。
 
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