とんでも腐敵☆パートナー
6-3. 動物に手を咬まれたらよーく洗って報復
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「――つっ!」
俺は瞬間的に走った痛みを堪え、フタの金網から慌てて逃げようとするマウスを掌で押さえつけた。
「朽木! 大丈夫!?」
心配した拝島が俺の傍に駆け寄ってくる。「ああ」と小さく頷いて、掴み上げたマウスをケージの中に放り込んだ。
すぐに手袋を外すと、指先に小さな咬み傷ができていた。かなり気の荒い奴に当たってしまったようだ。後できちんと消毒をしないといけない。
「ダメだな~朽木。ちゃんと保定しねぇと」
隣の実習机から見ていた高地が俺に向かってけらけらと笑って言った。ムッと眉をしかめる。
マウスを使う実験でマウスに咬まれることなど、よくあることなのだ。気にする程のことではない。だが俺としては初めての経験だったので多少どころではなく驚いた。こんな小さな動物のどこにそんな力があるのか、与えられた痛みはかなり強烈なものだった。
ちなみに保定とは動物の体を押さえて固定することであり、マウスの場合は金網の上で尾を引っ張り、金網にしがみついたところを掴み上げるのが一般的だ。
まぁそんな蛇足はともかくとして、高地に言われると妙にむかつく。二年の時さんざん咬まれまくったこいつに言われたくはない。
そんな俺の呪詛が効いたのか、笑いながらケージに手を突っ込んだ高地の悲鳴が直後、教室じゅうに響き渡り、俺は溜飲を下げながら実験を続行したのだった。
「――つっ!」
俺は瞬間的に走った痛みを堪え、フタの金網から慌てて逃げようとするマウスを掌で押さえつけた。
「朽木! 大丈夫!?」
心配した拝島が俺の傍に駆け寄ってくる。「ああ」と小さく頷いて、掴み上げたマウスをケージの中に放り込んだ。
すぐに手袋を外すと、指先に小さな咬み傷ができていた。かなり気の荒い奴に当たってしまったようだ。後できちんと消毒をしないといけない。
「ダメだな~朽木。ちゃんと保定しねぇと」
隣の実習机から見ていた高地が俺に向かってけらけらと笑って言った。ムッと眉をしかめる。
マウスを使う実験でマウスに咬まれることなど、よくあることなのだ。気にする程のことではない。だが俺としては初めての経験だったので多少どころではなく驚いた。こんな小さな動物のどこにそんな力があるのか、与えられた痛みはかなり強烈なものだった。
ちなみに保定とは動物の体を押さえて固定することであり、マウスの場合は金網の上で尾を引っ張り、金網にしがみついたところを掴み上げるのが一般的だ。
まぁそんな蛇足はともかくとして、高地に言われると妙にむかつく。二年の時さんざん咬まれまくったこいつに言われたくはない。
そんな俺の呪詛が効いたのか、笑いながらケージに手を突っ込んだ高地の悲鳴が直後、教室じゅうに響き渡り、俺は溜飲を下げながら実験を続行したのだった。