とんでも腐敵☆パートナー
「薬学部ですから……薬剤師免許は取るつもりです。薬局か製薬会社にでも勤めることになるでしょうね」
 
「はっきりとは決めてないということか?」
 
「まだ卒業まで二年あります。その間、進むべき道を見極めるつもりですが」
 
 答えながら、徐々に呼吸が乱れてきてることに気付いた。
 
 息が苦しい――――なんだ?
 
 この、言い知れない不安は――――なんだ?
 
 父と母の顔に緊張の色が走ったような気がした。
 
 神薙蓮実の澄ました顔からはすっと表情が消える。
 
「あと二年も時間を無駄にする必要はない」
 
「……それは、どういう意味ですか」
 
 聞きたくはないのに自然と質問が口を出た。
 
 手足が冷たい。体中から血の気が引いている。
 
 まさか、という思いが重く肩にのしかかる。
 
 そして神薙からは、とうとう決定的な一言がもたらされた。
 
 
「神薙を継げ」
 
 
 な――――
 
 
 なぜ、今更。
 
 
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